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許可は要らない。ただし捕まえたあとは別

勝手に捕まえて、あとで問題にならないか。そこが心配で手が止まっている方へ、先に答えます。家に出るねずみ3種については、鳥獣保護管理法にもとづく捕獲の許可は要りません。ただし、捕まえたあとの扱いは別の法律の話になります。手を動かしたい方は 自分でやる手順 へ。ここはその裏づけです。

このページの内容
  1. 捕獲に許可は要るか
  2. 3種以外のねずみ
  3. 捕まえたあとの扱い
  4. 店舗・ビルの管理
  5. 自分の場合はどうなるか
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

捕獲に許可は要るか

結論から言うと、家に出る3種については、鳥獣保護管理法にもとづく捕獲の許可は問題になりません。ただし条文のたどり方は「対象外」ではありません。

条文がたどっている順序

  1. ① 定義には入る第2条第1項「この法律において「鳥獣」とは、鳥類又は哺乳類に属する野生動物をいう」。ねずみは哺乳類の野生動物です
  2. ② そのうえで外す第80条第1項「この法律の規定は、環境衛生の維持に重大な支障を及ぼすおそれのある鳥獣…であつて環境省令で定めるものについては、適用しない」
  3. ③ 省令が3種を名指し施行規則第78条第1項の表にドブネズミ・クマネズミ・ハツカネズミが学名で書かれています

だから「ねずみは鳥獣ではない」ではなく「鳥獣だが適用されない」が正確です。この違いは、次の見出しで効いてきます。

一方、イタチ・ハクビシン・アライグマ・コウモリ・ハトは表にありません。これらは捕獲許可の話になります。 → 家に入った害獣と捕獲許可

3種以外のねずみ

施行規則第78条第1項の表は、次の3種を学名で挙げています。

施行規則第78条第1項の表

種名(条文の表記)和名家での出方
Rattus rattusクマネズミ天井裏・壁 → 見分け方
Rattus norvegicusドブネズミ床下・排水まわり
Mus musculusハツカネズミ—

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。備考は「括弧内に記載する呼称は、学名に相当する和名である」としています。条文が本体として指定しているのは学名です。

3種以外の野生のねずみ類は、この適用除外に当然には入りません。つまり対象となり得ます。家の中で見るねずみなら、まず3種のどれかです。屋外の畑や河川敷で見かけるものは違う可能性があるので、そこで捕まえる予定があるなら先に自治体に聞いてください。

捕まえたあとの扱い

鳥獣保護管理法の適用が外れても、話は終わりません。

動物の愛護及び管理に関する法律 第44条第4項は、愛護動物を2つの号に分けています。

「一 牛、馬、豚、めん羊、山羊、犬、猫、いえうさぎ、鶏、いえばと及びあひる」

「二 前号に掲げるものを除くほか、人が占有している動物で哺乳類、鳥類又は爬虫類に属するもの」

条文から言えること

「害獣だから捕獲後は自由に扱ってよい」とは、条文から出てきません。器具そのものを第44条が一律に禁止している、と読める条文はありません。問題になるのは捕まえたあとです。放置して弱らせる、見せしめにするといった扱いは、みだりな殺傷・虐待にあたりえます。捕まえたらすぐに処理を決める、というのが現実的な線です。

店舗・ビルの管理

建築物における衛生的環境の確保に関する法律 第4条は、義務と努力義務を分けています。

第4条が分けている2つ

第1項第3項
対象特定建築物特定建築物以外で多数の者が使用・利用するもの
条文の言葉維持管理をしなければならない維持管理をするように努めなければならない
性質義務努力義務

2026年9月16日に e-Gov法令検索と自治体の公表資料で確認しました。★一般の住宅は特定建築物にあたりません。対象は、興行場・百貨店・集会場・図書館・博物館・美術館・遊技場・旅館・店舗・事務所などで延べ面積3,000平方メートル以上のもの、学校は8,000平方メートル以上のものです(大阪府の公表資料)。自宅のねずみで、この規定を気にする必要はありません。

同法施行規則 第4条の5第2項第一号は、次のように定めています。

「ねずみ等の発生場所、生息場所及び侵入経路並びにねずみ等による被害の状況について、六月以内ごとに一回、定期に、統一的に調査を実施し、当該調査の結果に基づき、ねずみ等の発生を防止するため必要な措置を講ずること。」

「6か月に1回、薬をまく」ではありません。求められているのは調査と、その結果にもとづく措置です。調べる対象が発生場所・生息場所・侵入経路・被害の状況の4つである点は、住宅で自分でやるときにも参考になります。 → 自分でやる手順

同項第二号は、殺そ剤等について「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律…第十四条又は第十九条の二の規定による承認を受けた医薬品又は医薬部外品を用いること」としています。どの薬剤を選ぶかは、事故につながるのでここでは書きません。

なお感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第28条第1項は、都道府県知事が区域を指定し、管理者に「ねずみ族、昆虫等を駆除すべきことを命ずることができる」としています。

自分の場合はどうなるか

家の中のねずみを捕まえたい

3種にあたるなら、鳥獣保護管理法の規定は適用されません。捕まえること自体は問題になりません。気をつけるのは、捕まえたあとです。

屋根裏の動物がねずみか分からない

イタチ等なら捕獲許可の話になります。 → 家に入った害獣と捕獲許可

飲食店を営んでいる

特定建築物に当たるかで、かかる定めが変わります。当てはまるかどうかは、保健所に建物の用途と面積を伝えれば、その場で分かります。

賃貸で誰が費用を持つのか

民法と契約書の話です。 → 賃貸で虫やネズミが出たら誰が払うか

死骸の処分

捨て方は自治体ごとに決まっています。市区町村のごみ分別のページで「動物の死体」を探してください。

よくある取りこぼし

「ねずみは鳥獣ではない」と思っていた

第2条第1項の定義には当てはまります。外れるのは第80条第1項です。

すべてのねずみが同じ扱いだと思っていた

施行規則第78条第1項の表は3種だけです。

捕まえたあとは自由だと思っていた

第44条第4項第二号は「人が占有している動物」を含めています。

どの建物にも6月以内ごとの義務があると思っていた

第4条第1項の義務は特定建築物です。第3項は努力義務です。

「6か月ごとに駆除」だと思っていた

条文が求めているのは調査と必要な措置です。

薬剤は何でもよいと思っていた

特定建築物では、薬機法の承認を受けた医薬品又は医薬部外品とされています。

よくある疑問

結局、許可は要りますか

要りません。家に出る3種については、鳥獣保護管理法の規定が適用されないからです。種類がはっきりしないときだけ、先に自治体に聞いてください。

粘着シートは使ってよいですか

第44条は器具の名前を挙げていないので、使うこと自体を禁じる条文はありません。問題になるのは捕まえたあとの扱いです。かかったまま放置しない、という一点を守ってください。

業者に資格は要りますか

必須の国家資格はありません。建築物衛生法に「ねずみ昆虫等防除業」の登録制度があり、登録業者は都道府県に記録が残ります。 → 業者の選び方

特定建築物とは何ですか

用途と面積の組み合わせで政令が決めています。保健所に建物の用途と延べ面積を伝えれば、その場で分かります。

保健所は駆除してくれますか

相談窓口はありますが、駆除そのものは行っていないことが多いです。駆除まで行う自治体は多くありません。市区町村の「ねずみ」のページを見れば、相談だけか駆除までかが分かります。

このページの数値は、東京都保健医療局と東京都ペストコントロール協会の公表資料から取りました。出典は下に全部載せています。ここまでで分かるのは「一般にどうなっているか」までです。あなたの家の侵入口が何か所あるか、被害がどこまで広がっているかは、中を見ないと分かりません。薬剤の使い方と、天井裏に入る作業は、けがと事故につながるのでこのサイトでは書きません。

確認に使った一次情報

2026年9月15日に確認しました。費用は建物の構造・侵入口の数・作業範囲で変わるため、一律の相場という数字はありません。ここでは、見積書のどこを見れば比べられるか、何で金額が変わるかを書いています。

捕まえる前に、迷うところだけ聞いておく

許可が要るかどうかは、種類で決まります。見てもらえば種類も入口も同時に分かります。片付いていない状態のままで構いません。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

ねずみ駆除ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド