診断のあとに2つの段階がある

耐震診断で評点が1.0未満だったとき、次は補強設計(補強図面の作成)と補強工事です。この2つは別の段階で、それぞれ補助があります。横須賀市は補強工事について「工事費の2分の1(上限100万円)」、沿道住宅は「3分の2(上限150万円)」としています。

このページの内容
  1. 2つの段階
  2. 補強設計で決まること
  3. 工事監理という費用
  4. 補助の形
  5. どこまで上げるか
  6. 自分の場合はどうなるか
  7. よくある取りこぼし
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

2つの段階

横須賀市のステップ2・3(公表内容から)

段階内容対象・負担
ステップ2補強図面の作成耐震性が不足している住宅(評点1未満)が対象。自己負担74,000円(沿道住宅52,000円)
ステップ3補強工事工事費の2分の1(上限100万円)を補助。沿道住宅は3分の2(上限150万円)
工事監理工事が図面どおりに行われているかの確認自己負担37,000円(沿道住宅26,000円)

出典:横須賀市「木造住宅の耐震診断・補強工事助成事業」(2026年9月10日確認)。これは横須賀市の例です。段階の分け方・補助率・上限額は市区町村ごとに異なります。

「沿道住宅」は、地震のときに道路をふさぐおそれがある場所の住宅です。避難や救助の経路を確保するため、補助が手厚くなっています。自分の家が該当するかは市区町村の指定によります。

補強設計で決まること

補強設計は、どこをどう直すかを図面にする作業です。これがないと、工事の見積もりも、補助の申請もできません。

補強設計で決めること

設計の内容によって工事費が大きく変わります。「どこまで上げるか」を先に決めることになります。

工事監理という費用

横須賀市は、工事監理の自己負担を37,000円(沿道住宅26,000円)としています。

工事監理は、工事が補強図面どおりに行われているかを建築士が確認する作業です。補強は壁の中や床下で行われるので、閉じてしまうと確認できません。だから、途中の段階で見る必要があります。

補助の要件として工事監理が求められることがあります。見落としやすい費用なので、資金計画に入れておいてください。

補助の形

補助の額の決まり方(よくある形)

形意味
工事費の〇分の〇割合。横須賀市は2分の1(沿道住宅は3分の2)
上限〇万円いくら工事しても、これ以上は出ない。横須賀市は100万円(沿道住宅150万円)
定額工事費にかかわらず一定額を出す市区町村もある
加算高齢者世帯・非課税世帯などで上乗せする市区町村もある

出典:横須賀市の公表内容および一般的な制度の形から整理。実際の補助率と上限額は、お住まいの市区町村の要綱でご確認ください。

「2分の1・上限100万円」なら、工事費200万円で補助は100万円、工事費300万円でも補助は100万円です。上限に届く工事費を超えると、それ以上は全部自己負担になります。

どこまで上げるか

補強の目標をいくつにするかで、費用が変わります。多くの市区町村が「補強後に評点1.0以上」を補助の条件にしています。東京都耐震ポータルサイトも「必要な耐震性能を満たすには、Iwが1.0以上である必要があります」としています。

目標をどこに置くか

目標判定(東京都耐震ポータルサイトの区分)考え方
1.0以上一応倒壊しない補助の条件になっていることが多い水準
1.5以上倒壊しない費用は上がる
1.0に届かないが上げる倒壊する可能性がある補助の対象外になることがある。市区町村によっては部分的な補助がある

出典:東京都耐震ポータルサイトの判定区分から整理。補助の条件となる目標値は市区町村の要綱で定められています。

予算の都合で1.0に届かない場合、市区町村によっては部分改修や耐震シェルターの補助があります。→ 全部は直せないとき

自分の場合はどうなるか

工事費が上限を大きく超えそう

補助は上限で頭打ちになります。優先順位を付けた補強設計を相談してください。1階の弱い部分から直す、という考え方があります。

住みながら工事したい

できる範囲は補強の内容によります。基礎や屋根に手を入れると難しくなります。設計の段階で相談してください。

リフォームと一緒にやりたい

補助の対象になるのは耐震補強の部分だけ、というのが通常です。見積書で耐震部分を分けて出してもらってください。

屋根を軽くしたい

屋根の軽量化を補助の対象にしている市区町村があります。評点を上げる方法の一つです。要綱で確認してください。

業者をどう選べばよいか分からない

市区町村が登録業者の名簿を持っていることがあります。窓口で確認してください。

床下の劣化を指摘された

先に対処しないと補強しても効果が薄いことがあります。→ 床下の腐朽と蟻害

よくある取りこぼし

工事監理の費用を計算に入れていなかった

横須賀市は工事監理の自己負担を37,000円(沿道住宅26,000円)としています。

上限額を超えた分も補助されると思っていた

上限で頭打ちです。

リフォーム全体が対象だと思っていた

耐震補強の部分だけが対象になるのが通常です。

交付決定前に契約した

横須賀市は対象外としています。→ 契約より先に申請する

補強後の目標評点を確認しなかった

補助の条件になっていることがあります。設計の段階で確認してください。

確認の順序

設計から工事まで

  1. 補強設計の補助を申請する診断結果が要ります。
  2. 補強設計を作るどこをどう直すか、目標評点はいくつか。
  3. 見積もりを取る契約はまだしない。耐震部分とそれ以外を分けてもらう。
  4. 補助の上限と自己負担を計算する工事監理の費用も入れる。
  5. 補強工事の補助を申請する→ 契約より先に申請する
  6. 交付決定後に契約・着工する順番を守る。
  7. 工事監理を受ける閉じる前に確認してもらう。
  8. 実績報告を出す写真・領収書・完了検査。

→ 耐震の補助は要綱で決まる/2つの年で分かれる/耐震診断と上部構造評点/補強設計と補強工事/契約より先に申請する/床下の腐朽と蟻害/全部は直せないとき/改修後の固定資産税の減額

確認に使った一次情報

よくある疑問

補助はいくらもらえますか。

市区町村ごとに違います。横須賀市は補強工事について「工事費の2分の1(上限100万円)」、沿道住宅は「3分の2(上限150万円)」としています。これは横須賀市の例です。お住まいの市区町村の要綱でご確認ください。

耐震工事の費用はどのくらいかかりますか。

建物の状態と補強の内容によって大きく変わるため、相場を示すことはできません。補強設計ができてから見積もりを取ってください。複数社から取ると比べられます。

沿道住宅とは何ですか。

地震のときに倒壊すると道路をふさぐおそれがある場所の住宅です。市区町村が計画で指定します。補助が手厚くなることがあります。自分の家が該当するかは窓口で確認してください。

工事監理は必ず必要ですか。

補助の要件になっていることがあります。補強は壁の中や床下で行われるため、閉じる前に確認する必要があります。要綱で確認してください。

補強後に評点はどうなりますか。

補強設計の段階で目標を決めます。多くの制度が1.0以上を条件にしています。工事後に再度診断して確認するのが通常です。

木造住宅の耐震補助ガイドの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは木造住宅の耐震に関する補助制度についての一般的な整理です。補助の有無・名称・対象・金額・申請期限は市区町村ごとに異なり、年度ごとに変わります。実際の手続きは、お住まいの市区町村の建築指導・住宅担当課にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

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