本ページの制度の記載は、文部科学省および各市町村の公表内容にもとづきます。

基準は市町村のものなので、状況が変われば結論も変わる

申請したが認定されなかった。そこで終わりにしないでください。認定基準は市町村が定めていて、判断は世帯の状況にもとづきます。状況が変われば、結論も変わります。そして就学援助以外の道もあります。

このページの内容
  1. まず理由を聞く
  2. 落ちた線は市町村ごとに違う
  3. 認定されないと年にいくら自腹か
  4. 再申請できる場合
  5. ほかに使える制度
  6. 学用品そのものの負担を減らす
  7. 給食費が払えないとき
  8. 相談できる先
  9. 確認の順序
  10. 確認に使った一次情報
  11. よくある疑問

まず理由を聞く

認定されなかった理由を確認してください。基準のどこに当たらなかったのかが分かると、次の手が見えます。

教育委員会に、この言い方で聞く

1つ目と2つ目を数字で聞いてください。「基準に届きませんでした」だけでは、あと何万円足りなかったのかが分かりません。基準額と判定所得の2つが分かれば、来年出し直すときに通るかどうかが自分で分かります。

2つ目が重要です。前年の収入で判断された場合、今年の収入が減っていてもそれは反映されていません。その場合、直近の状況を伝えて再申請できることがあります。

落ちた線は、市町村ごとに違う

就学援助の基準は国が決めていません。市町村が決めています。多くの市町村は、生活保護基準に係数を掛けて線を引いています。その係数が、市町村によって違います。

準要保護の認定基準に「生活保護基準の何倍」を使っている市町村(令和3年度・回答1,765市町村)

基準市町村数割合
1.1倍以下148市町村8.4%
1.2倍以下222市町村12.6%
1.3倍以下726市町村41.1%
1.4倍以下50市町村2.8%
1.5倍以下173市町村9.8%
1.5倍超9市町村0.5%
合計(係数を使っている市町村)1,328市町村75.2%

出典:文部科学省「就学援助実施状況等調査結果」(令和3年7月調査)。生活保護基準に係数を掛けて線を引いている市町村が1,328(75.2%)あります。残りの市町村は、市町村民税の非課税や児童扶養手当の受給などで判断しています。2026年9月19日に確認しました。

1.1倍以下の市町村が148、1.5倍以下の市町村が173あります。同じ年収・同じ家族構成でも、住んでいる市町村が1.1倍なら落ち、1.5倍なら通ります。あなたが落ちたのは、全国共通の線を下回ったからではありません。その市町村が引いた線を下回っただけです。

だから最初に聞くのは「なぜ落ちたか」ではなく、「うちの市は何倍ですか」です。倍率が分かれば、基準額が分かります。基準額が分かれば、あと何円足りなかったのかが分かります。

引っ越しを考えている場合は、転居先の市町村の倍率も先に聞いてください。就学援助は転居すると申請し直しになります。1.3倍以下が726市町村と最も多いので、そこが多数派の線です。

認定されないと、年にいくら自腹になるか

「落ちた」が具体的にいくらの話なのかを、公的な統計で置いておきます。

認定されないと、学校に払うお金は年にいくらか(令和5年度・1人あたり)

公立小学校公立中学校
学校教育費74,336円150,761円
学校給食費35,774円35,671円
合計(学校に払う分)110,110円186,432円
1か月あたり約9,176円約15,536円

出典:文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」。学校教育費と学校給食費を足した額です(塾や習い事の学校外活動費は就学援助の対象外なので除いています)。1か月あたりは合計を12で割った額です。就学援助は市町村ごとに費目と額が違うので、認定されればこの全額が出るという意味ではありません。認定されなかったときに自分で背負う学校まわりの支出の大きさを示す目安です。2026年9月19日に確認しました。

公立小学校で年110,110円、公立中学校で年186,432円。これが、学校に払うお金の全国平均です。中学校は小学校の1.7倍です。制服や部活動の用具が入ってくるためです。

そして、ここが落ちた人にとって一番大事な数字です。

年度途中の申請をどう扱っているか(令和3年度・回答1,765市町村)

扱い市町村数割合
随時受け付ける。援助は申請月または認定月から1,535市町村87.0%
随時受け付ける。援助は年度当初分までさかのぼる83市町村4.7%
締切を設けていて、期間内の申請しか受け付けない72市町村4.1%

出典:同調査。さかのぼってくれる市町村は83(4.7%)しかありません。9割近くは「出した月から」です。つまり出すのが1か月遅れると、1か月分が戻ってきません。2026年9月19日に確認しました。

年度途中に申請できる市町村は多い。けれど、さかのぼってくれる市町村は83(4.7%)しかありません。9割近くは「出した月から」です。

つまり、収入が減ってから相談に行くまでに1か月置くと、公立小学校で約9,176円、公立中学校で約15,536円が戻ってきません。3か月置けば、中学校では約46,608円です。「落ち着いてから」と待つと、待った月数×1万円前後が消えます。

状況が変わった日のうちに、電話1本でいいので教育委員会に伝えてください。書類が揃っていなくてもかまいません。受付日が動くかどうかが、この金額を決めます。

再申請できる場合

状況が変わったら

取り扱いは市町村によって異なります。まず教育委員会に状況を伝えてください。

失業した/収入が大きく減った

年度途中の申請を受け付ける市町村があります。離職票など、状況を示す資料を持って相談してください。

世帯の人数が変わった

離婚・死別・同居家族の転出など。世帯の状況が変われば、基準に当たるかの判断も変わります。

病気やけがで働けなくなった

収入の状況が変わった場合として相談できます。あわせて、ほかの支援も案内されることがあります。

年度が変わった

多くの市町村で年度ごとに申請します。前年度に認定されなくても、今年度は改めて判断されます。

生活保護を受けることになった

要保護者の区分に変わります。学校または教育委員会に伝えてください。

ほかに使える制度

就学援助は、子どもの就学にかかる費用を支える制度のひとつです。ほかにも制度があります。

関連する制度

制度扱うこと窓口
高等学校等就学支援金高校の授業料。家計急変への対応もある文部科学省の制度。学校を通して申請
特別支援教育就学奨励費特別支援学校・特別支援学級に通う場合学校・教育委員会
市町村独自の支援ひとり親家庭への支援など市町村の子育て担当課
生活困窮者自立支援制度生活全般の相談市町村の自立相談支援機関

この表は制度の存在を示す整理です。対象・内容・申請方法はそれぞれの窓口でご確認ください。

「高等学校等就学支援金制度(家計急変支援)」は文部科学省が案内しています。就学援助は小中学校の制度なので、高校は別の仕組みになります。

学用品そのものの負担を減らす

お金をもらう以外に、かかるお金を減らすという道があります。文部科学省は学校に対して通知を出しています。

文部科学省が出している通知

通知日付
学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(通知)平成30年3月19日
学校における通学用服等の学用品等の適正な取扱いについて(通知)令和5年10月23日
学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減について(通知)令和7年6月25日
学校における補助教材及び学用品等に係る保護者等の負担軽減策の事例周知について(事務連絡)令和8年7月17日

出典:文部科学省「就学援助制度について」の関連通知。制服や学用品の価格・指定について、国から学校に通知が出ています。

制服が高い、指定品が多い、という相談は学校にできます。令和8年7月には「負担軽減策の事例周知」の事務連絡も出ています。ほかの学校の取り組みが共有されている、ということです。

学校に相談できること

給食費が払えないとき

就学援助が認定されなかった場合でも、給食費の支払いについて学校や市町村に相談できます。

滞納したまま放置するより、先に相談するほうが選べる道が多くなります。分割や猶予の取り扱いがある市町村があります。

また、給食費の無償化や一部補助を独自に行っている市町村があります。就学援助とは別の制度なので、市町村のサイトで確認してください。

相談できる先

相談先

先扱うこと
市町村の教育委員会就学援助の認定・再申請・ほかの教育関係の制度
通っている学校学用品・給食費・修学旅行費の支払い
市町村の子育て担当課ひとり親家庭への支援など
自立相談支援機関生活全般の相談(生活困窮者自立支援制度)
スクールソーシャルワーカー学校を通じて相談できる場合がある

就学援助のことは教育委員会、日々の支払いのことは学校。生活全般なら自立相談支援機関。分けて相談すると話が進みます。

確認の順序

認定されなかったら

→ 市町村の義務として定められている/対象になるかどうか/何にお金が出るのか/入学前にもらえる場合がある/申請の仕方と時期/認定されなかったとき

確認に使った一次情報

よくある疑問

認定されない理由を教えてもらえますか。

教育委員会に問い合わせることができます。どの基準に当たらなかったかが分かると、次の手が見えます。

収入が減ったのに前年の収入で判断されました。

年度途中の申請を受け付ける市町村があります。直近の状況を示す資料を持って相談してください。

来年また申請できますか。

多くの市町村で年度ごとに申請します。前年度に認定されなくても、今年度は改めて判断されます。

高校の費用も就学援助の対象ですか。

就学援助は小中学校(学齢児童生徒)の制度です。高校については「高等学校等就学支援金制度」があり、家計急変への対応も文部科学省が案内しています。

給食費を滞納しています。

学校または市町村に相談してください。分割や猶予の取り扱いがある市町村があります。放置するより先に相談するほうが道が多くなります。

制服代が高くて困っています。

文部科学省は学用品等の負担軽減について学校に通知を出しています。令和8年7月には負担軽減策の事例周知の事務連絡も出ています。学校に相談できます。

特別支援学級に通っています。

特別支援教育就学奨励費という別の制度があります。学校または教育委員会に確認してください。
このあと必要になること
援助が決まっても、入学前にそろえる物は自分で用意します。総数を先に出しておくと、直前に慌てません。
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就学援助の制度ガイドの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは就学援助制度についての一般的な整理です。認定基準・支給される費目・金額・申請の時期は、市町村ごとに異なります。実際の手続きは、お住まいの市町村の教育委員会または通っている学校にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド