救急隊が最初に開けるのは冷蔵庫

一人でいるときに倒れたら、救急隊は本人から話を聞けません。そのために、持病・薬・連絡先を書いた紙を専用の容器に入れ、冷蔵庫に保管しておく仕組みがあります。「救急医療情報キット」と呼ばれ、多くの市区町村や社会福祉協議会が無料で配っています。玄関のドアと冷蔵庫にステッカーを貼って、救急隊に場所を知らせます。

このページの内容
  1. キットの中身
  2. なぜ冷蔵庫なのか
  3. 誰がもらえるか
  4. 何を書くか
  5. 古い情報は危ない
  6. 自分の場合はどうなるか
  7. よくある取りこぼし
  8. 確認の順序
  9. 確認に使った一次情報
  10. よくある疑問

キットの中身

墨田区の例では、次のものがセットになっています。

救急医療情報キットの内容(墨田区の記載)

もの内容
専用保管容器1個
ステッカー2枚(玄関ドア内側貼付用、冷蔵庫ドア貼付用)
救急医療情報シート1枚

出典:墨田区「救急医療情報キットを配布しています」。中身と名称は市区町村によって異なります。

ステッカーが2枚あるのが要点です。玄関のドアの内側に1枚。これで、入ってきた救急隊が「この家にはキットがある」と分かります。冷蔵庫に1枚。これで、どの冷蔵庫かが分かります。

なぜ冷蔵庫なのか

どの家にも必ずあり、置き場所がほぼ決まっているからです。

冷蔵庫が選ばれている理由

引き出しや棚では、家ごとに場所が違って探せません。「全国どこの家でも同じ場所」を作るための工夫です。

誰がもらえるか

墨田区は対象を「健康に不安を抱えている方」としています。市区町村によって対象の書き方は違い、「65歳以上の一人暮らし」「要介護認定を受けている方」「障害のある方」などに限っている場合もあります。

配布の場所(市区町村により異なる)

場所備考
高齢福祉担当課の窓口市区町村の本庁・出張所
地域包括支援センター高齢者の相談窓口
社会福祉協議会市区町村により
調剤薬局墨田区は「区が委託している区内の調剤薬局」で配布
高齢者みまもり相談室墨田区の例

出典:墨田区の記載および各市区町村の公表内容から整理。どこでもらえるかは市区町村に確認してください。

何を書くか

救急医療情報シートに書くのが通常の項目

お薬手帳のコピーを入れておくのが、実務では効きます。薬の名前を正確に書くのは難しいですが、コピーなら間違いません。

保険証・診察券のコピーを入れる欄がある市区町村もあります。ただし原本は入れないでください。必要なときに手元にないと困ります。

古い情報は危ない

これがいちばん大事な注意点です。薬が変わったのにシートが古いままだと、かえって間違いのもとになります。

更新のきっかけを決めておく

  1. 薬が変わったときいちばん重要。お薬手帳のコピーを差し替える。
  2. 入院・退院したときかかりつけ医や病状が変わることがあります。
  3. ケアマネジャーが変わったとき連絡先を書き換える。
  4. 家族の連絡先が変わったとき携帯番号の変更を忘れがちです。
  5. 年に1回、日を決めて見直す誕生日など、覚えやすい日に。
  6. 見直したら日付を書くいつ時点の情報かが分かるように。

自分の場合はどうなるか

親が一人で住んでいる

いちばん向いている使い方です。離れて暮らす家族の連絡先を必ず入れてください。→ 家族が先にやること

同居しているが日中は一人になる

日中の状況を書いておくと役に立ちます。「平日9〜18時は一人」など。

キットが配布されていない市区町村

自作でも機能します。密閉できる容器に情報を入れ、冷蔵庫に貼り紙をする。ただし救急隊が探すのは配布キットのステッカーなので、玄関にも分かるように示してください。

認知症がある

本人が説明できない場面ほど価値があります。ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談して整えてください。

災害のときにも使えるか

避難のときに持ち出せるよう、コピーを1部作っておく使い方があります。個別避難計画と合わせて考えてください。→ 個別避難計画

引っ越した

連絡先とかかりつけ医が変わります。書き換えてください。

よくある取りこぼし

情報が古いまま

薬が変わったのに更新していないと、かえって危険です。

ステッカーを貼っていない

救急隊はステッカーで存在を知ります。玄関ドアの内側と冷蔵庫に。

保険証の原本を入れた

コピーにしてください。原本が手元にないと困ります。

家族が場所を知らなかった

離れて暮らす家族にも「冷蔵庫にキットがある」と伝えておく。

もらってきただけで中身を書いていない

容器だけあっても意味がありません。

確認の順序

キットを整える

  1. 市区町村に配布があるか聞く高齢福祉担当課・地域包括支援センター。
  2. もらってくる無料のことがほとんどです。
  3. シートを書くお薬手帳のコピーも入れる。
  4. 冷蔵庫に入れるドアポケットなど決まった場所に。
  5. ステッカーを貼る玄関ドアの内側と冷蔵庫。
  6. 家族に伝える場所と中身。
  7. 更新の日を決める薬が変わったときと、年1回。

→ 4つの制度の全体像/避難行動要支援者名簿/個別避難計画/福祉避難所と直接避難/電源が要るときの給付/救急医療情報キット/家族が先にやること

確認に使った一次情報

よくある疑問

キットは無料ですか。

無料で配布している市区町村がほとんどです。墨田区は「無料配布」としています。配布の対象と場所は市区町村によって異なります。

配布していない市区町村ではどうすればよいですか。

自分で用意しても機能します。密閉できる容器に情報を入れて冷蔵庫に保管し、玄関と冷蔵庫に分かるよう示してください。ただし救急隊が把握しているのは配布キットの形式なので、見つけやすさは工夫が要ります。

誰でももらえますか。

対象を定めている市区町村があります。墨田区は「健康に不安を抱えている方」、他に「65歳以上の一人暮らし」などに限る例もあります。窓口で確認してください。

何を入れておけばよいですか。

救急医療情報シートのほか、お薬手帳のコピーを入れておくと確実です。保険証や診察券はコピーにしてください。

災害のときにも役に立ちますか。

持ち出せるようコピーを用意しておくと役に立ちます。個別避難計画と合わせて整えてください。
このあと必要になること
名簿に登録しても、停電したその場で助けが来るとは限りません。自分で何時間もたせるかは、先に決めておけます。
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災害時に助けが要る人の制度ガイドの記事一覧

このページが扱う範囲
本ページは災害時の支援に関する制度についての一般的な整理です。制度の有無・名称・対象・金額・手続きは市区町村ごとに異なります。実際の登録や申請は、お住まいの市区町村の防災担当課・福祉担当課・保健所にご確認ください。

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

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