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2026年8月更新 制度の仕組みから整理

全国平均は10㎥で9,822円。
月15,000円なら年6万円高い

都市ガスや電気と違い、プロパンガス(LPガス)は公共料金ではなく自由料金です。同じ地域・同じ使用量でも、契約している会社によって金額が変わります。

自由料金=会社ごとに違う
3段階見直しの手順
0円診断・見積もり

「うちのガス代は高いのか」が分からないのは、比較できる基準が公開されていないからです。まず自分の単価を把握するところから始めてください。

このページの内容
  1. なぜ家ごとに違うのか
  2. 自分の単価を計算する
  3. 適正かどうかの判断
  4. 見直しの手順
  5. 窓口は1つに絞らなくてよい

なぜ家ごとに違うのか

1. 自由料金だから。LPガスは事業者が料金を自由に設定できます。届出制ではありますが、上限が決まっているわけではありません。

2. 契約の経緯が違う。新築時に施工業者が決めた、大家が決めた、前の住人からの引き継ぎ。自分で選んでいないケースがほとんどです。

3. 設備費が上乗せされていることがある。給湯器やエアコンの費用をガス料金に上乗せして回収する商慣行があり、そのぶん単価が高くなります。

4. 値上げが通知されにくい。使用量が変わっていないのに請求が増えていても、気づきにくい構造です。

今の料金が適正か、無料で診断してもらう

同じ地域の相場と比べないと高いかどうかは分かりません。診断・見積もりは無料です。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

自分の単価を計算する

検針票を用意して、次を計算してください。

①基本料金(使用量にかかわらず毎月かかる額)
②従量料金=(請求額 − 基本料金)÷ 使用量(㎥)
これが1㎥あたりの単価です。

この2つの数字がないと、比較も交渉もできません。まず検針票を見ることが第一歩です。

検針票に単価が書かれていない場合もあります。その場合はガス会社に問い合わせれば教えてもらえます。「基本料金と従量単価を教えてください」と聞くだけで構いません。

出した数字を、全国平均と比べる

「公表されています」では役に立たないので、数字を置きます。一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センターが、毎月の全国平均を出しています。

LPガス(プロパンガス)の全国平均価格(2026年8月31日時点・税込・基本料金込み)

1か月の使用量全国平均1㎥あたりの増分
5㎥5,991円—
10㎥9,822円766円(5→10㎥)
20㎥17,118円730円(10→20㎥)

出典:一般財団法人 日本エネルギー経済研究所 石油情報センター「一般小売価格 LP(プロパン)ガス」。2026年9月18日に確認しました。公表値は基本料金および消費税を含む価格です。増分は当サイトの計算です。

基本料金と従量単価は分けて公表されていないので、使用量の差から逆算します。5㎥から10㎥に増えたぶんは1㎥あたり766円、10㎥から20㎥では730円。ここから基本料金を戻すと、およそ2,100円から2,500円になります。検針票の基本料金がこれより大きく高いなら、差の原因はそこです。

その差が、1年でいくらになるか

1㎥あたり何円と言われても、実感が湧きません。年でいくら違うかを出します。月10㎥使う家庭の場合です。

月10㎥使う家庭で、全国平均といくら違うか(当サイト計算)

1か月の請求額全国平均との差1年では
9,822円(全国平均)——
12,000円+2,178円+26,136円
15,000円+5,178円+62,136円
18,000円+8,178円+98,136円
20,000円+10,178円+122,136円

計算式:1か月の請求額から9,822円を引き、12倍しました。全国平均は石油情報センターの10㎥使用時の価格(税込・基本料金込み)です。使用量が10㎥から離れるほど、この比較はずれます。まず検針票の使用量を確認してください。

月15,000円払っているなら、全国平均より年62,136円多く払っています。「高い気がする」ではなく、確定した差額です。そしてプロパンガスは自由料金なので、この差が違法になることはありません。誰も是正してくれないので、気づいた人だけが動くことになります。

2025年4月から、請求書の中身が変わりました

資源エネルギー庁がLPガスの料金表示ルールを変えました。「三部料金制」といって、請求を「基本料金」「従量料金」「設備料金」の3つに分けて示すことが求められます。

変えた理由がそのまま、読者の損につながっていた話です。これまでは、エアコンやWi-Fiなど、ガスと関係のない設備の費用がガス料金に紛れ込んでいることがありました。新しいルールは、これを計上できないものとしています。賃貸住宅ではガス器具の費用も計上できません。あわせて、無償貸与のような過大な利益供与や、他社への切り替えを制限する条件付き契約も禁止されました(2024年夏から)。

だから、聞き方が変わります。「基本料金・従量料金・設備料金の内訳を教えてください」。この3つの言葉で聞いてください。設備料金の行がないのに全国平均より高いなら、何がどこに乗っているのかを説明してもらう根拠があります。資源エネルギー庁は2023年12月にLPガス商慣行通報フォームも開いています。

適正かどうかの判断

判断材料は3つです。

1. 同じ地域の相場と比べる。都道府県ごとの平均は公的機関が公表しています。ただし平均は「適正」ではなく「みんなが払っている額」である点に注意してください。

2. 過去の自分と比べる。1年前、2年前の検針票。使用量が同じなのに単価が上がっていれば、値上げされています。

3. 他社の見積もりと比べる。これが最も直接的です。無料で出してもらえます。

見直しの手順

①検針票を用意する。基本料金・従量単価・使用量。

②持ち家か賃貸かを確認する。ここで進め方が分かれます。賃貸は大家・管理会社の同意が必要です。→ 賃貸の場合

③無料診断で相場と比べる。

④現在の会社に相談するか、乗り換えるかを決める。→ 乗り換えの流れ

なお、設備費の残債がある場合は精算が必要になることがあります。ここは事前確認が必須です。

窓口は1つに絞らなくてよい

プロパンガスの見直し窓口には、大きく2つの型があります。どちらか一方に決める必要はありません。

2つの型

①診断・相談型。今の検針票をもとに、料金が適正かどうかを見てもらう。まず現状を知りたいときに向きます。
②一括比較型。対応可能な会社の条件をまとめて出してもらう。乗り換える前提で、選択肢の幅を見たいときに向きます。

実務的には、①で現状の位置を知り、②で選択肢を広げるのが手戻りの少ない順序です。どちらも見積もりの段階で費用はかかりません。

対応できる会社の条件をまとめて比べる

住所と使用状況をもとに、対応可能な会社の条件を比較できます。比較の依頼は無料です。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

検針票の数字を伝えて、相場と比べてもらう

基本料金と従量単価が分かれば診断できます。無料で、その場で契約する必要もありません。

掲載する料金は各社公式サイトの公表値です。実際の費用は現地の状況により変わります。見積もりは無料。広告(PR)を含みます。

ガスの種類による、料金の決まり方の違い

種類料金の決まり方公表の義務値上げの起き方
都市ガス小売全面自由化後も、事業者ごとの料金メニューが公表される料金メニューの公表がある事前の周知が行われる
プロパンガス(LPガス)事業者と消費者の相対契約従来は公表が一般的でなかった通知なく改定される例が問題視されてきた

同じ地域の同じ使用量でも、家によって単価が違うのは、プロパンガスが相対契約(自由料金)だからです。制度上そうなっているため、「他所より高い」こと自体は違法ではありません。だから自分で確認する必要があります。

自分の単価を出す(検針票から)

⑤が、他と比べるための数字です。請求額そのものは使用量で変わるため、比較には使えません。

見直しの手順

  1. ① 検針票を3か月ぶん用意する季節で使用量が変わるため、1か月だけでは傾向が分かりません。
  2. ② 上の計算で単価を出す基本料金と従量単価を分けて把握します。
  3. ③ 地域の平均的な水準と比べる石油情報センターが地域別の平均価格を公表しています。
  4. ④ 賃貸か持ち家かを確認する賃貸の場合、契約者が大家であることが多く、入居者だけでは変更できません。
  5. ⑤ 現在の事業者に相談する切り替える前に、値下げの相談ができる場合があります。

状況別の判断

持ち家か賃貸かで、できることが大きく変わります。

持ち家で、単価が地域平均より明らかに高い

見直しの余地がある典型です。まず現在の事業者に相談し、それでも変わらなければ切り替えを検討します。

切り替える場合、設備の所有者が誰かを確認してください。給湯器などを事業者が所有している場合、精算が発生することがあります。

賃貸に住んでいる

ガスの契約者が大家や管理会社になっていることが多く、入居者の一存では変更できません。

まず契約者が誰かを確認してください。自分名義であれば、変更できる余地があります。

集合住宅で、建物全体が同じ事業者

建物単位の契約になっている場合、個別の切り替えはできません。管理組合や大家への相談が入口になります。

単価の実態を数字で示せると、話が進みやすくなります。

切り替えを勧誘された

提示された単価がいつまで適用されるかを書面で確認してください。安い単価で契約し、後から改定される例が問題として指摘されてきました。

解約時の設備の精算条件も、契約前に確認してください。

よくある誤解

「請求額が高い=単価が高い」

請求額は使用量で変わります。比べるべきは1立方メートルあたりの単価です。まず計算してください。

「賃貸でも自分で切り替えられる」

契約者が大家や管理会社の場合、入居者の一存では変更できません。まず契約者を確認してください。

「安い単価を提示されたら、その額がずっと続く」

相対契約のため、後から改定されることがあります。適用期間を書面で確認してください。

「切り替えれば費用はかからない」

給湯器などの設備を事業者が所有している場合、解約時に精算が発生することがあります。設備の所有者を確認してください。

よくある疑問

なぜ家ごとに単価が違うのですか。

プロパンガスは事業者と消費者の相対契約であり、料金が個別に決まるためです。制度上そうなっているため、差があること自体は違法ではありません。

だからこそ、自分の単価を把握することが出発点になります。

自分の単価はどう計算しますか。

検針票の請求額(税抜)から基本料金を引き、使用量で割ります。これが1立方メートルあたりの単価です。

季節で使用量が変わるため、3か月ぶんで傾向を見ると確かです。

地域の相場はどこで分かりますか。

石油情報センターが、都道府県別のLPガス平均価格を公表しています。使用量ごとの平均が出ているので、自分の数字と比べられます。

賃貸でも見直せますか。

契約者が誰かによります。大家や管理会社が契約者の場合、入居者の一存では変更できません。

まず検針票や契約書で契約者を確認してください。

切り替えるときの注意点は何ですか。

提示された単価の適用期間を書面で確認してください。あわせて、給湯器などの設備を誰が所有しているかを確認します。

事業者所有の設備がある場合、解約時に精算が発生することがあります。

今の事業者に値下げを相談してもよいですか。

構いません。切り替えの手間を考えると、まず相談するほうが早いことがあります。

その際、地域の平均価格と自分の単価を数字で示せると、話が具体的になります。

トラブルになったら、どこに相談できますか。

消費生活センター(消費者ホットライン)や、経済産業省の各産業保安監督部が相談窓口を設けています。

契約書と検針票を手元に用意してから相談すると、話が早くなります。

この分野で混同されやすい言葉

言葉意味判断への影響
基本料金使用量に関係なくかかる固定部分従量単価と分けて把握する
従量単価1立方メートルあたりの料金比較に使う数字はこれ
相対契約事業者と消費者が個別に結ぶ契約家ごとに単価が違う理由
設備の所有者給湯器などを誰が所有しているか切替時の精算に関わる

判断の流れ(まとめ)

順序は「検針票を3か月ぶん用意」→「従量単価を計算」→「地域平均と比べる」→「賃貸か持ち家かを確認」→「まず現事業者に相談」です。請求額は使用量で変わるため、比較には使えません。1立方メートルあたりの単価に直すのが出発点です。賃貸の場合、契約者が大家であることが多く、入居者だけでは変更できません。ここを先に確認すると無駄が省けます。

プロパンガス料金の見直しの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド